見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
あんなに何度も謝ってもらった上に、今は私の方が和哉さんのお母さんを騙している状態のため心苦しい。
「そうだな。今から俺の実家に行こうか」
大きく頷きかけると、和哉さんは「車を停めたのはこっちだ」と踵を返す。
私は緊張で大きく息を吐いてから、和哉さんを追いかけた。
車に到着し、後部座席にチャイルドシートが設置されていて驚く。
「いつの間に」
「ずっと三人でどこかに出かけたいと思ってた。けどこんなものを車に設置したら、俺が勇哉の存在を知っているのがバレるから我慢してたんだ。でも今日三人で会うなら、ドライブしたいと思って、悩んで、買うことに決めた。これのこともあってさ、今夜両親に話せたらって思ったんだ」
先に勇哉をチャイルドシートに座らせてから、和哉さんがベビーカーをトランクに乗せてくれた。
「三人で暮らすための環境を一つ一つ整えていこう。さ、結衣も乗って」
「うん」
声を弾ませて返事をし、私は後部座席へと乗り込む。
ずっと和哉さんの車に乗りたかった勇哉は「かっこいいねー! かっこいいねー!」とモダンで高級感あふれる車内を、目を輝かせて見回していた。