見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
続くように、和哉さんのお父さんからも頭を下げられ、私は「顔をあげてください」とひとり慌てた。
「なかなか電話をかけられなくて、ごめんなさい」
「良いのよ。こうして来てくれただけで、私たちには十分すぎるわ」
「あぁ、その通りだ。結衣さん、本当にすまなかった」
勇哉が和哉さんの側から、ガラスの棚へと歩み寄っていく。
ウサギやクマにゾウ、女の子に男の子など、中に並んでいるあみぐるみが気になるようで必死に覗き込んでいる。
大人四人が無邪気な姿を目で追う中、和哉さんが話し出した。
「結衣と偶然再会したことで、記憶が戻ったんだ。結衣を諦めきれなくて、実家に押しかけて息子の存在を知った」
そっと、和哉さんが私の肩を引き寄せる。私を傍らに置いて、真っ直ぐ両親を見つめた。
「もう彼女とは一時も離れたくない。息子とだってそうだ。これからは、俺が結衣と勇哉を守っていきたい。彼女と結婚する」
力強く響いた言葉に、胸がじわり熱くなる。涙を浮かべながら、私も思いを口にした。
「私は非力で、出来ることも少ないですけど、……一年後も十年後もずっとずっと変わらずに、和哉さんが私を選んで良かって思い続けてもらえるよう、心の拠り所であれたらと思っています」