見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
「……勇哉くんを、抱きしめても良いかしら」
「もちろんです」
笑顔で答えると、少し躊躇いながらお母さんは勇哉に手を伸ばし、きゅっと抱きしめた。
涙をこぼしながら嬉しそうに笑ったお母さんの顔に、私まで泣きそうになる。
三ヶ月前、和哉さんと再会できた奇跡を心から感謝した。
その日からまた私の生活は変わっていく。
翌日には籍を入れ、私は正式に和哉さんの妻となった。
新居を探し始めると同時に、八木沢家の敷地内に新居を建てるのはどうだろうと和哉さんの両親から提案を受け、私たちは話し合い、そうすることに決めた。
家が完成する一年後くらいに結婚式も挙げようかという和哉さんのひと言で、そちらの話も進み出し、毎日が何かと慌ただしい。
新居が完成するまでの仮住まいとして、私の実家近くのマンションを借りることになった。
ヤギサワホールディングスに近い方が良いんじゃないかなと私は思ったりもしたのだけれど、和哉さんが「一気に環境を変えるより、勇哉が結衣の家族といつでも会えるように、実家の近くで暮らさないか」と、言ってくれたのだ。