見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
「ごめんなさい。戸惑ってしまっていたのは確かだけど、私にとって和哉さんは、優しいあなたでしかないから、ヤギサワとか難しいことはよく分かりません」
気軽に会いたいと思ってもらえる友人でいたい。そう思う一方で、自分が彼を支えられる存在になれたらと願わずにはいられなかった。
私にとって、和哉さんは大切な存在だから。友人としても、一人の男性としても。
心の奥にある彼に対する淡い恋心を認めたその瞬間が、約三年にも及ぶ片想いを始まりだった。
それからも、たびたび一緒にご飯を食べて、観たい映画や興味あるイベントがあったら付き合ってもらったり、私が就職活動期間に入れば、社会人の先輩にあたる彼に話を聞いてもらったりもした。
無事内定をもらえたのは、設備工事や設計を行う中小企業だった。和哉さんは自分のことのように喜んでくれた。
職場環境になかなか慣れることができなくて挫けそうになることがあっても、変わらずそばに居てくれる和哉さんの存在が、大きな心の支えだった。
彼への恋心はどんどん膨らんでいく。しかし、膨らめば膨らむほど、再び彼と自分とでは見えている世界が違うだろう思え、心が痛くなる。