見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
言葉の意味をどう受け取って良いのか分からなくて、ただじっと和哉さんを見つめ続けていると、彼があらためるように私と向き合った。
「今日、言おうと決めていた。……俺と付き合って欲しい。君が好きなんだ。誰にも渡したくない」
信じられない気持ちでいっぱいになる一方で、彼の真剣な声音と眼差しに、本気で言ってくれているのが伝わってきて、嬉しさで心が熱くなっていく。
本当に私で良いのか、そんな思いも浮かび上がってきたけれど、幸せな申し出を断るという選択肢など私にはなく、ずっと抑えてきた気持ちを初めて言葉にした。
「……和哉さん、私も同じ気持ちです。あなたが大好き」
私の返事に、数秒の沈黙が続く。でもそれは決して重苦しいものではなく、お互い顔を赤らめながらのこそばゆい間だった。
どちらからともなく手を伸ばし、初めてぎゅっと抱きしめ合う。
「結衣」
いつもより艶っぽく響いた彼の自分を呼びかける声に、鼓動がトクリと跳ねた。
自分の中の愛しさをしっかり届けるように、私はきつく彼を抱きしめ返した。
そんな付き合い初めから、特に喧嘩をすることもなく三年。私たちの交際は順調にいっている。