見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
広々としたリビングのフカフカのソファーに腰掛けて、タブレットで映画を観ようとしていた私は、お風呂を済ませてリビングに戻ってきた和哉さんの気配に気づいて、それを膝の上に置く。
「和哉さん、さっきスマホが鳴っていましたよ」
「……あ、本当だ」
ダイニングテーブルに置かれていたスマホを確認する横顔は、お風呂上がりだからかいつも以上に爽やか。
その反面、纏っているバスローブの胸元が少しはだけているため、色気たっぷりで目のやり場に困る。
これまで何度も裸体を見ているのに、そして数分前まで一緒にお風呂にも入っていたと言うのに、逞しい体を見慣れることはない。
私はあと半年で二十七歳になるし、心も見た目も多少は大人になれたかなと思うけれど、和哉さんは段違いである。
昔から格好良かったけれど、三十歳になった彼はさらに大人の魅力も合わさり、どんどん素敵になってきている。
そんな彼の魅力に近寄ってくる女性はたくさんいるだろう。
和哉さんが手にしているスマホをじろり見つめると、ふふっと小さく笑われる。
「電話をかけてきたのは父さんだよ。昼間と同じで仕事の話だろ。ヤキモチを妬く必要はない。でも、その顔可愛いから俺は見れて嬉しいけど」