見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
苦笑気味に告げられた事実にバツが悪くなり、そして顔を見られたくなくて、私は和哉さんに背中を向ける。
再び小さく響いた笑い声に続いて、和哉さんが通話し始めた。
肩越しにちらりと和哉さんを見れば、ばちりと目が合い、彼の口元が弧を描く。
ちょっぴり小悪魔的な笑みも魅力的で、私は頬を赤らめたまま視線をタブレットのホーム画面へと戻したのだった。
「……わかった。直接連絡入れておく。……あぁそれから、例のことだけど、話が来た時点ですっぱり断ってくれと母さんにもちゃんと伝えておいてくれないか。俺には結衣がいるから」
聞こえてきた言葉で、彼の言う例のことがなんの話か分かってしまい、視線が落ちていく。
最近、和哉さんの元にお見合いの話がいくつも来ているらしいのだ。
和哉さんは付き合い始めの早い段階で、私と交際していると両親に話をしている。
彼の両親に交際を反対されてはいないものの、心の底では好意的に受け止めてもらっていないのだろうなと感じてもいる。
この見合い話もそうで、さっきのように和哉さんが恋人がいると断ってくれと繰り返し頼んでも、押しが強くてなどの理由で次から次へと彼の元にお見合い写真を持ってくるらしいのだ。