見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
「和哉さん、明日から出張ですよね。準備とかあるのでは? 私、邪魔になると悪いので、映画でも観てます」
急に気恥ずかしくなり、視線を逸らす。
休日の今日はデートをして、そのまま私は帰宅する予定だったのだが、明日から出張で三日帰ってこないと聞いたら、離れがたくなってしまって彼の家にお邪魔し、「このまま泊まっていけよ」との彼のひと言で今に至る。
「しばらく結衣に触れられないんだ。堪能しなくちゃ」
「たった三日ですよ」
「会えない三日は長い」
ぐっと手を引かれ立ち上がると、彼が私を抱きあげて、歩き出す。
行き先は寝室だと、聞かなくてもわかる。横抱き状態のまま苦笑いしても、彼の足は止まらない。
「いっそ結衣も連れていってしまいたい。今夜だけでなく、明日になっても、明後日になっても、一週間後も、一年後も、俺の隣に置いておきたい。片時も離れることなく」
心地よい独占欲に心の中が幸福感で満ちていく。私は再び彼の首の後ろへと手を回す。
「私の心は、ずっと和哉さんのそばに」
声を震わせながらそう呟いて、そっとキスをする。