見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました

緊張を逃すように深呼吸しつつ、駅の構内へと足を踏み入れた。

和哉さんからの連絡が来ていないか繰り返しスマホを確認しながら、待ち合わせの公園にほど近い駅で電車を降りた。

慌てなくてもまだ時間に余裕はあるというのに、公園へと向かう速度は自然と速くなる。


「懐かしい」


まるで都会のオアシスのように緑に溢れたこの公園は、私が学生の頃に働いていたカフェとヤギサワホールディングスのちょうど中間に位置していて、よく待ち合わせの場所にもなっていた。

就職してからは、私の職場の近くまで車で迎えにきてくれることがほとんど。

それなのに、私たちの思い出の詰まった大切な場所であるここを、和哉さんはあえて待ち合わせ場所として指定してきた。

今日を特別な日にしたいと、彼も自分と同じ気持ちでいるんじゃないかと期待せずにいられない。

待ち合わせの時間まであと五分。目立つここで待っているべきだろうと公園内には入らず、そわそわと入り口で足を止める。

『公園の、駅に近い方の入り口で待ってます』とメッセージを送ってから、目の前の通りを走り行く車に視線を向ける。

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