見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
早く会いたい。顔をみたい。声が聞きたい。触れたい。
誰よりもそばで、彼の時間を独り占めしたい。
和哉さんが姿を現すその瞬間が、待ち遠しくてたまらない。
和哉さんと結婚して妻となったら、毎日どんな感じになるのだろう。
休日、ソファーでくつろぐ彼に、「ご飯できたよ、食べよう」と声をかけるエプロン姿の私。幸せいっぱいなシーンを想像して、私はひとり微笑む。
朝起きて「おはよう」と言葉を交わし、疲れて帰ってきた彼に「おかえり」と言ってあげられる。
もちろん辛いことも多いだろうけれど、それよりもきっとたくさんの幸せな瞬間を私は彼と共有できる。
胸を高鳴らせながら道路を見つめていたが、待ち合わせの六時半を十分過ぎても和哉さんの車はなかなかやってこなかった。
「どうしたんだろ、珍しい」
少しでも遅くなる場合、彼は必ず前もって連絡をくれる。彼らしくないなと不思議に感じながら電話しようとスマホを操作する。
耳に押し当てた発信音が途切れるのを待ったが、和哉さんに繋がることはなかった。
一度、電話を切って改めてかけ直そうとしたが、途中で躊躇い手が止まる。
送ったメッセージには、まだ既読がついていない。