見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
怒りは感じているけれど、それよりももっとずっと、すっぽかされた形になったことが寂しくてたまらない。
今夜の約束だけでなく、私の誕生日だってことすら忘れられてしまったような気持ちになり、胸の苦しさがどんどん増していく。
「しばらく口聞いてあげないから」
徐々に止まらなくなっていく涙を手荒に拭って、私は乱暴にパンプスを脱いだ。
和哉さんは約束を破ったことについて、私にどんな言い訳をするのか。
空腹なのに食べる気になれず、つけたテレビを上の空で見つめながら、和哉さんから電話がかかってくるのを今か今かと待ち続けた。
誕生日が終わってしまう前には、それがなければ日付が変わって翌日には間違いなく連絡がくる。
そう思っていたのに、会いに来るどころか、電話も、メッセージを呼んだ形跡すらないまま、時間だけが過ぎていく。
私の誕生日を境に、和哉さんからの連絡は途絶えてしまった。
ずっと大切にしてもらっていたから、彼に愛されていると信じて疑わなかった。
けれど、メッセージを送っても電話をかけても無しの礫で、私は本当に彼に愛されていたのかわからなくなる。