見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
くれた言葉のすべてが偽りだったのかもしれないと、自信はどんどん崩れ落ちていった。
彼に切り捨てられたとしか思えない現実を受け入れられないまま、……一ヶ月が経ってしまった。
仕事を終えてデスクを離れる前に、スマホを確認してため息をつく。
やっぱり、彼から連絡は来ていない。私たちは終わってしまったのだろうかと、寂しさが湧き上がる。
別れたいなら、こんな形でなく直接言ってくれたら良かったのにと思わずにいられない。
好きでいることも辛いのに、諦めることも難しくて、一ヶ月の間ずっと時が止まっているような状態だ。
心が疲れているせいかうまく笑えないままに、同期の田中さんへ「お疲れ様でした」と声をかけ、気だるく職場を後にした。
せめてもう一度、和哉さんと話がしたいと、駅に向かいながらぼんやり思う。
これまで何度か、彼の住むマンションを訪ねているが、いくらインターフォンを鳴らしても応答はなく、落ち込む結果となっている。
どうしたら和哉さんと会えるのだろう。どこに行けばと思いを巡らせて、私は自宅とは逆の方面へと進む電車に乗り込んだ。