見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
「両親とか、特に弟も生意気なところがあるしで、もしかしたら私の家族が和哉さんに嫌な思いをさせてしまうかもしれないけど、実家でお話ししたいことが」
和哉さんは私のお願いを聞いて、ゆっくりと頷いてくれた。
「わかった。三年前、俺が結衣を傷つけたのは事実だ。そのこととしっかり向き合わなくちゃ、俺も前に進めない。どんなに罵られようと受け止める」
真っ直ぐ私を見つめる彼の真剣な眼差しはとても澄んでいて、昔と変わらない。
懐かしさに萎んでいたはずの恋心が甘く疼くのを感じながら和哉さん見つめ返していた時、バッグの中でスマホが振動した。
着信相手は圭人。「ごめん。弟から」と断って、勇哉のことで何かあったのかと私は慌てて電話に出た。
「もしもし。どうしたの? 何かあったの?」
「……姉ちゃん。今、男といるだろ」
一拍置いてから飛び出した言葉に、思わず怯む。
「ど、どうしてそれを」
「虹川さんが教えてくれたんだよ。勇哉ちゃんそっくりの男の人といたけど誰って」
名前を聞いて合点がいく。いずれ話のネタにされるだろうと思ってはいたが、まさかこんなに早いとはと頭を抱えたくなる。