見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました

勇哉のことを話す時が来たんだと緊張が膨らむ。

運転中の和哉さんは昔と変わらぬ冷静な様子なのに、私ばかりがそわそわと落ち着かない。

こういう時に限って車は一度も信号につからぬまま、あっという間に実家に到着する。

お客様用の空いている駐車場に車を停めてもらい、いざ降りようとした時、家の中から圭人とお母さんが出てきた。

ふたりとも怖い顔で、玄関の前に腕を組んで立っている。

見るからに敵意むき出しのふたりに和哉さんも気がつき、瞬きを繰り返した。


「和哉さん、なんかごめん」

「いや。それだけ大事な家族ってことだろ。うらやましいよ」


自嘲気味に笑ってから、和哉さんは運転席のドアを開ける。私も買ってもらったケーキの箱をしっかり持って助手席を降りた。

和哉さんは母と弟の前で足を止め、そして玄関の外に出てきた父へとしっかり顔を向ける。


「初めまして。八木沢和哉と申します」


高身長でスタイルが良い。着ているブランド物のスーツももちろんしわ一つなく、上品な光沢があり高級感は抜群。

そして本人の端正な顔立ちと、大企業の副社長をしているだけあって貫禄もあり、只者じゃない感が半端ない。

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