見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
「……なんていうか、殴られる気満々だったんだが、条件反射で体が動いてしまって。すまない」
圭人の渾身の一撃を和哉さんはあっさりと避けてしまい、気まずそうな顔で圭人に謝り続けている。
見かねて私は圭人に抗議の声をあげた。
「圭人やめて、和哉さんを殴ったりしたら絶対にダメ」
「そうね。素敵なお顔に傷をつけるのは良くないわ」
私に続いてお母さんも圭人に注意すると、「母さん、ずるいぞ! さっきまで一発殴って良しって言ってたくせに!」と圭人が喚き出す。
「お前たち、いい加減にしなさい!」
父に一喝され、私と圭人、そして母も口を閉じた。
「いつまでそんなところに彼を立たせておくんだ。中に入ってもらいなさい」
それだけ言って、父は家の中へと戻っていく。
圭人は和哉さんをじろりと睨みつけてから、そして母は和哉さんに「中へどうぞ」と声をかけ、歩き出す。
「はい」と返事をして、和哉さんは私に力強く頷きかけてから、ゆっくりと一歩を踏み出す。私も遅れないように、彼を追いかけた。
家に上がり、リビングへ移動する。