羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
先輩が出してくれたのは、目にも鮮やかなおつまみたち。アンチョビまであるけど、普通の家にこれ常備されてる? それにこの人、私より確実に料理上手だ。
「簡単なものだよ」
「すごい……! 羽柴シェフ!」
「はは」
先輩は笑って、私も笑って、それから、日本酒を飲みながら、最近の仕事のこととか、途中でママの話もしたと思う。
先輩のご両親は離婚していて、一緒に住んでいた先輩のお母さんももう亡くなっていることもその時知った。だからもう、今はうちの先にある、先輩の住んでいた家ももう他の人の家らしい。
先輩のことも新しく知って、おつまみもおいしくて、ついついお酒が進んでしまった。瓶にあった日本酒は、もう半分くらい減っていたのだ。
っていうか、高級と言いながら結局こんなに飲んでしまって申し訳なさしか残ってない。
「ご、ごめんなさい! 結局半分くらい飲んじゃって……」
「ふふ、むしろありがたいって言ったでしょう?」
先輩は楽しそうに笑う。その顔を見てしまうと、目が離せなくなった。
先輩の手がそっと私の頬に触れる。
「みゆ、頬が赤いよ?」
「す、少し飲みすぎましたかね」
「かわいい」
熱い先輩の指先が妙に自分の身体も熱くする。
ちょ、待って。これ、今、ちょっとやばい……?