羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 困って先輩を見上げると、

「ごめん。キス、したい」

 先輩は急にそんなことを言い出す。

「な、なにもしないって言ったじゃないですか……!」
「『みゆが嫌だって言うなら』って前置きしたはずだよ」

 先輩の熱っぽい目が私を捉える。「イヤ?」

「ま、またそれ」
「うん。だって、みゆは俺のこと、自分から好きって言わないでしょ。とにかく『嫌じゃない』ってとこで妥協しようとしてるの」
「なにそれ……」

 泣きそうになって呟くと、先輩は意地悪そうに目を細める。
 また心臓の音が大きくなって、次は鳴りやまなくなる。

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