まだ、青く。
私はキビちゃんのお家、否、志島家の居間に通された。

そう...

志島、だったんです。

表札を見て気づいた。

まさかの事態に頭が追い付いていない。


「染みるよ」

「はいっ。お、お願いします...」


彼は怯える私とは裏腹に平然とした顔で私の傷口を消毒してくれた。

その痛みといったら、裁縫で使う針の先端の方が剥き出しになった幾千本もの針の山に足の裏全体を踏みつけた時みたいな。

そんなこと起こるはずもないのだけれど、

そのくらいの激痛が私の全身を貫いた。

こんなにも痛いのは初めてだった。


「顔、すごいしかめっ面だけど大丈夫?」

「ま、まぁ大丈夫です...」


なんて言いながら、ちらっと彼の顔を盗み見た。

涼しげな目元で、瞳は青空のように澄みきっている。

鼻は高くて鼻筋がすーっとしている。

口元は良く見えなかったけど、

上半分が整ってるんだから下も同然なんだろうな。

女の私よりキレイで、どことなく可愛いらしい感じもあって中性的な雰囲気の人...

この人がきっと...


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