まだ、青く。
「志島凪くん...」


あ。

思わず呟いてしまった。

驚いたように彼がこちらに視線を投げる。


「俺の名前、なんで...」

「えっと、そのぉ、あの...と、とと、ととっ隣のクラスなので噂で知っていたといいますか...」

「見え透いた嘘だね。そのくらい幼稚園児でも分かる」

「そ、そそ、そうですか...」


私が思い切り落胆していると志島くんが私と約1メートルのスペースを取って座った。


――カタン...。


乾いた音が鳴った。

ふと視線を再び上げると目の前に私の大好きな缶ジュースが現れた。

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