まだ、青く。
志島くんが立ち上がる。

私も......と思っていたんだけど、

私はすんでのところで立たなかった。

目の前の缶ジュースに手を伸ばし、蓋を開けた。


――パカッ。


そして、そのまま口に運び、ゴクゴクと派手に喉を鳴らした。


「ぷはぁ...美味しいです」


ご当地のレモンジュースの爽快感が全身を駆け巡り、私に口を動かす勇気を与えてくれた。


「私が何を言っても信じてくれますか?」


私のその言葉に志島くんはくすくす笑いながら2度深く頷いた。

私のオヤジみたいな飲みっぷりに笑ってしまったみたいだ。

笑われたのはかなり恥ずかしいけど、

それよりも...

嬉しかった。


私は決心をした。

この人なら

きっと大丈夫。

受け止めてくれる。

そう、信じられる。

なんとなく、だけど。

そう思う。

だから、

話してみます。

私の秘密を...。


「実は私...」

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