まだ、青く。
翌朝。

私はなんとか眠りにつくことができ、3番目に起きた。

やはりもう凪くんは起きて朝食を作っていて隣には千先輩がいた。


「おはようございます」

「おっと!おっはよ~鈴ちゃん!良く眠れた?」

「えっと...まあまあです」

「そっか、まあまあか。でも、眠れて良かったわね~。アタシはね、誰かさんのせいで寝不足なんだわ~」

「誰かさん?」


聞かなくてもなんとなく分かる。

それに、私の足元を通りかかったヤドカリの夫婦も話していた。

昨日の夜...。


「杉浦よ!アイツがもう意味不明なことばっか言って!ったくもう、こんな時期に困るって...」


千先輩が今にも泣き出しそうな顔をしている。

千先輩が弱気な姿はあまり見ない。

いつも皆の先頭に立って引っ張ってくれる頼りがいのある先輩だ。

そんな千先輩が眉間にしわを寄せているとなると、兆くんがついに告白したに違いない。

はてさて、どうしよう...。

私まで眉間にしわを寄せ考え始めると、千先輩が体の向きを変えた。


「ねぇ、凪くん」

「はい」


黙々とサンドイッチを作っていた凪くんが振り返った。


「凪くんはさ、潤ちゃんに何て返したの?もしかしてOKした?」


< 167 / 310 >

この作品をシェア

pagetop