まだ、青く。
えっ...?


あ。


一瞬疑問符がふわっと立ち上がったけど、それはパッと線香花火のように消えた。

思い出したのだ。

あの手紙の送り主が

潤ちゃんかもしれないってことと、

その内容を。

私の胸にまた靄がかかり、

そして、なぜか呼吸が苦しくなった。

上手く呼吸が出来ない。

頭に酸素が行き渡らなくて考えることさえ出来なくなった。

それでも、時間は流れる。

言葉は風に乗り、耳を通っていく。


「俺は伝えました、今の自分の気持ち。相手を傷つけても俺の気持ちは変わらないので、誠実に断りました」


凪くんの言葉を受けて


「断ったの?」

「断ったんですか?」


千先輩とほぼ同時に声を上げた。

おそらく千先輩も私と同じ気持ちだったんだろう。

美男美女で、これ以上ないくらいお似合いなのに、なんでって。

そして、そんな私達を見て凪くんはくすっと笑った。

その顔がなんだか前よりも明るくなったように見えるのは、気のせいなのだろうか?

でも、なんだろう...。

この笑顔に瞳が吸い寄せられる。

不器用な笑顔に胸の奥が熱くなる。

この気持ち...

何?


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