まだ、青く。
その日の放課後は部室に籠って各々作業を進めていた。

兆くんは千先輩がいなくても悲しむ素振りを見せず、黙々と次期部長として仕事に熱心に取り組んでいた。

涼介くんは看板の色塗りという大役かつ雑用を嫌な顔1つせず取り組んでいた。

凪くんと潤ちゃんもラミネートを次々と仕上げ、値段を決めていた。

それなのに私は...

ずっと紙とそこに書かれた名前をなぞり、誰かの心を読む練習をするだけ。

しかも、たったそれだけの自分の1番得意なことのはずなのに、最近の私はスランプみたいで全然読み取ることが出来ないでいた。

どうして読めなくなってしまったのか、原因を考えても分からなかった。

とりあえず集中力を上げるために、2時間越えの映画を借りてきて見たり、ヨガをして精神統一を図るなど、やれることはやっていた。

でも、その成果は全く現れず、私は行き詰まってしまった。

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