まだ、青く。
私は覚悟を決めた。


「お父さん」


父の前に歩いていき、私は頭を下げた。


「鈴、どうした?」

「お父さん...私...私は、お父さんと出会えて本当に良かったと心の底から思ってる。

もともと父がいなかった私は、お父さんと出会わなかったら、父親の厳しさ、温かさ、優しさ、強さを知ることが出来なかったはずだから。

父、母、子っていうごく一般的な家庭を知らずに過ごして、辛い思いとか苦しい思いとか、たくさんしていたと思う。

だから、私は...お父さんが私のお父さんになってくれて本当に本当に嬉しい。

お父さん...私を娘にしてくれて、ありがとう」

「鈴...!」


父は私の肩をトントンと何度も叩いた。

その大きくて分厚い手のひらから伝わってくるものがある。


父が今までその手で私を守ってきてくれたこと。

その手で私の家族を守ってきてくれたこと。

その目で確かに見守ってきてくれたこと。

その全てで私を愛してくれたこと。


だから、私はまた言葉を紡ぐんだ。


「お父さん...ありがとう」


私の言葉に父は相好を崩した。


「鈴はオレの自慢の娘だ。もちろん、これからもずっとオレの娘だからな」

「うん...」


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