まだ、青く。
しばらくしてから私は凪くんに連れられ、四十万家に久しぶりにお邪魔した。

汀次さんに挨拶をしていると、キビちゃんが食事をせがむように、私の膝に乗って腕にすり寄ってきた。


「キビは食いしん坊だなぁ」

「ごめんね、キビちゃん。今日はキビちゃんのお食事は持って来なかったの。今度必ず持ってくるね」


私はキビちゃんに嫌われないよう丁重に謝り、今晩のおかずをテーブルに置いた。


「これ、母からです。良ければ凪くんと一緒に食べて下さい」

「帰ってきたばっかりなのに、わざわざありがとね」

「いえ。汀次さんの元気なお顔を拝見出来て良かったです」

「そうかい。天ちゃん、ほんとありがとね。あ、そうそう。凪のこともありがと。これからもよろしく頼むよ」

「あっ...はっ、はいっ！」


なんて、私が声を裏返らせながらも勢い良く返事をすると、凪くんは頬を赤らめた。

私もそんな凪くんの隣で全身に血液が激しく巡っているのを感じていた。


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