まだ、青く。
「おっと!」


キビちゃんが私の腕からするっと抜け出し、庭へと帰っていった。

あはは。

こんなに頑張ったのにあっさりとしたお別れなんだね...。

ちょっとばかり悲しくなったけど、とりあえず帰せたのだから良かった。

さてと、私も帰るか...。


「バイバイ、キビちゃん。もう迷子にならないでね」

「ミャーオ」


うん、ならないよ。


そう言ってくれた。

これで私も安心して帰れるよ。

そう思い、踵を返したその時。

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