まだ、青く。
私はキビちゃんとお話ししてあげるという条件付きで置いてもらえることになり、凪くんの祖父汀次(ていじ)さんの質問を代弁した。

一見怖そうだけど、本当は動物と孫思いの優しいおじいさんだった。

話をしていくに連れ、キビちゃんにはシルバくんというボーイフレンドがいることが発覚し、汀次さんは大いに盛り上がった。

そうこうしているうちに、汀次さんの言う通り、19時にドアがガラガラと開いた。


「おう、凪お帰り」

「じいちゃん、ただいま...って、なんで夏目が?」

「凪に話があって学校帰りにわざわざ寄ってくれたんじゃと。じゃから、飯は後回しで送ってこい。ワシは風呂に入って待っておる」


汀次さんはそう言うとタンスからパジャマを引っ張り出した。


「今日はキビと話が出来て楽しかった。今度は鈴ちゃんの話も聞かせておくれ。じゃ、気をつけて帰るんじゃぞ」

「ありがとうございます」


居間の戸がバタンと締まり、静寂が戻った。

キビちゃんは早めの就寝らしく、もう庭の自分のお部屋で丸くなっている。

人間達はまだこれからだというのに。

学校もしがらみもない世界に猫は生きてる。

そう改めて認識すると、気楽な猫になりたい、なんて思ってしまう。

願っても人のままだから、

私は今同じ空間にいる

この人と向き合わなければならないのだ。


「あの...凪くん。その...」

「帰りながら話そう。夏目門限あるだろうし」

「あ、うん...」


< 89 / 310 >

この作品をシェア

pagetop