まだ、青く。
坂の中腹より少し手前で、ようやく凪くんが口を開いた。


「鑑先輩は人を平気で傷付ける人だから信用出来ないんだ」

「あの...それは、どういう......」


ひゅーっと風が吹き、髪が靡く。

咄嗟に見つめたその黒髪は、夜空に溶け込むように美しく翻っていた。


「俺の写真を侮辱した。挙げ句、目の前で原稿を燃やされた」

「嘘...」

「それは別に俺の問題だから構わない。ただ俺があの人を許せない1番の理由は...先輩を......千先輩を傷付けたからだ」

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