まだ、青く。
激しく吹き荒れる風。

そういえば台風が接近しているって言ってたっけ?

明日は晴れてほしいけど、

この分だと雨だ。

今夜は月も見えない。

分厚く濃いねずみ色の雲に覆われて。


「幼なじみで今まで散々お世話になってきたっていうのに、あの人は陰で千先輩の悪口を言いふらしてた。

千先輩があの人に気があるって噂が流れた時には、"アイツと付き合うとか、吐き気がする"って言ってた。

そのくせ、後輩が入ると誰をカノジョにしようかなんて物色して...。

ほんと、あの人はさいってーなんだよ。俺のカメラに収める価値なんてない」


そう、だったんだ...。

そんなことがあったから、凪くんは今日学校のカメラを使ってたんだ。

確かに、そんな人...

許されていいわけない。

千先輩のことも凪くんのことも傷付けておいて自分は悠々自適に泳いでいるとか、そんなの...許せない。

なんだろう、この感じ。

胸の奥から炎のように真っ赤に燃えたぎる何かがある。

これは...

これは、

怒り、なのだろうか。

こんなにも強く

誰かを憎んだことがなかった。

こんなにも強く

認めたくない人がいたことがなかった。

ムダなエネルギーがこんなにも使われているなんて。

こんな熱なら

知りたくなかった。

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