竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
黄土色の魔獣がぐったりとした様子でその横にうずくまっていた。毛並みの色は違うが、姿形からフェンリルの一種だろうと思った。シェットやエミーユ、イレーコより少しだけ体つきが小さく、まだ子供だ。
そしてよく見ると、ぐったりとした魔獣の後ろ足はその罠の刃に挟まっていた。
(このせいで動けなくなっていたのね)
相当もがいたのか、挟まれた足は血塗れになって、肉が抉れている。
「ひどい。誰がこんなこと……」
そう言いかけて、嫌な想像が脳裏を過る。
(まさか、またアリスタ国が?)
以前、アリスタ国の国境沿いの地域──トルカーナ地方の領主が金に目が眩んでラングール国の魔獣の密漁を謀る事件があった。
魔獣の毛皮などから魔導具の燃料になる魔力が沢山採れるからだ。
このことが原因で、アリスタ国とラングール国はながらく関係が悪かった。ようやくその件が解決し国交正常化してからまだ半年程度しか経っていない。記念祝賀会だって、つい先日行われたばかりだ。
そしてよく見ると、ぐったりとした魔獣の後ろ足はその罠の刃に挟まっていた。
(このせいで動けなくなっていたのね)
相当もがいたのか、挟まれた足は血塗れになって、肉が抉れている。
「ひどい。誰がこんなこと……」
そう言いかけて、嫌な想像が脳裏を過る。
(まさか、またアリスタ国が?)
以前、アリスタ国の国境沿いの地域──トルカーナ地方の領主が金に目が眩んでラングール国の魔獣の密漁を謀る事件があった。
魔獣の毛皮などから魔導具の燃料になる魔力が沢山採れるからだ。
このことが原因で、アリスタ国とラングール国はながらく関係が悪かった。ようやくその件が解決し国交正常化してからまだ半年程度しか経っていない。記念祝賀会だって、つい先日行われたばかりだ。