恋愛アレルギー
一方、船見くんは犬を飼っていない。


犬を飼っていない船見くんと一緒にいるときは、アレルギーも出ていない。


「な……んだぁ……」


長年悩んできたことがただの犬アレルギーだったなんて。


あたしは脱力して全身の力が抜け落ちていくようだった。


同時に笑いがこみ上げてくる。


今まで悩んできたことは一体なんだったんだろう。


あたしはひとりで騒いで、恋をしてはいないと思い込んで、バカみたいだ。


そのときだった。


病室のドアがノックされて一人の女の子が入ってきた。


その姿にあたしは息を飲む。


女の子は昨日船見くんと一緒に歩いていた、あの子だったからだ。


どうしてここに!?


まさかデートの途中で病院に来たんだろうか?


それはちょっと無神経すぎないだろうか?


あたしにも、彼女にも失礼な行為だ。


そう思っていたとき、女の子があたしを見て微笑んだ。

< 130 / 136 >

この作品をシェア

pagetop