政略夫婦の懐妊一夜~身ごもったら御曹司に愛し尽くされました~
◇ ◇ ◇
出産から、二週間が経った。
私の入院生活は数日前に終わり、すでに実家に里帰りしている。
今日は、NICUに入院していた赤ちゃんが退院し、私の実家に帰る日だ。
七月一日、二千五百グラムで産まれた、私たちと同じく夏生まれの女の子。
入院中に夏樹と話し合い、七海と名付けた。
慎重にチャイルドシートから降ろし、小さな体を真っ白なおくるみに包む。
目は細く閉じられ、弱々しい手足はすっぽりと夏樹の腕に収まる。
「七海」
夏樹は実家の車庫で、車の横に立ったまま、腕の中の七海を見つめる。
「中に入りましょう、夏樹。外は暑いから」
「そうだな。あー、反応が今から予想できる」
反応とは、私の実家に集まっている、両家両親のことである。
七海の退院日を知らせてから、日に日に家の中はベビーグッズで埋め尽くされ、毎日大掃除かというほど準備をしていた。
今日も、ハンドメイドを嗜むお義母さんが、おもちゃから洋服から手作りをしてラッピングしたものを大量に持ってきているらしい。