政略夫婦の懐妊一夜~身ごもったら御曹司に愛し尽くされました~
「戻らないと、変に思われちゃう」
おそらく夏樹はそんなことはどうでもよいと思っているのかもしれないが、私はどうでもよくないため、「ね」と念を押す。
夏樹はそれも理解し、ようやく息をついて体を離した。
「そうだな、戻るか」
立ち上がり、ドアへと移動し、ゆっくりと開ける。
するとそこには、七海を抱いた両親たちが不自然に立っていた。
「……なに?」
夏樹が怪訝な目をお義母さんに向けると、彼女はしらじらしく七海を見せながら、
「ほらほら、七海ちゃんがママとパパに会いたいって言うから」
「七海が喋るわけないだろ」
「あらやだ、喋るわよー」
私と夏樹をチラチラと見て、両親たちはポッと頬を赤らめる。
聞き耳を立てられていたのだとわかり、私は「もうっ」と父を突き飛ばして先にリビングへと歩きだした。