政略夫婦の懐妊一夜~身ごもったら御曹司に愛し尽くされました~
診察台で足を開くのも苦しく、顔を歪める中、先生は落ち着いた目でモニターを眺め、痛みを伴う触診をする。
もう慣れたものだが、この瞬間は、「赤ちゃんに問題があります」と言われやしないかと全身から冷や汗が出てくる。
それに加え、待合室にいる夏樹が今頃どんな気持ちなのか、本当は私が家を空けるのがうれしくてたまらないのではないかと考えると、いろいろな不安が混ざり合っておかしくなりそうだった。
内診を終えて猫背になりながら、診察室へ呼ばれた夏樹と合流する。
「現在二十七週ですが、子宮頚管が二.二センチに縮まっています。切迫早産です」
「……えっ」
戸惑いの声を漏らしたのは夏樹、私は声が出なかった。
「どういうことですか?」
「赤ちゃんは元気に育っています。しかし赤ちゃんが入っている子宮からその出口までの距離が短く、早産のリスクがある状態です」