7歳の侯爵夫人
「コニー、何故…」

オレリアンはコンスタンスの枕元に寄り添い、そっと銀色の髪に触れた。
今のコンスタンスはオレリアンに真っ直ぐ好意を示してくれているが、本当は、潜在意識の中では、未だに王太子を慕っているのではないのだろうか。
だから彼を見たり彼の名前を聞くと、記憶が戻りたがっているのではないのか。

「オレリアン…。あまり思いつめないことだ。妹は間違いなく君を慕っている」
「…そうでしょうか…」
「オレリアン…」

エリアスはオレリアンの肩に手を置いた。
半年前まであれほど嫌っていた義弟だったが、今のエリアスはオレリアンを信頼している。
オレリアンが妹を見る目は優しく、触れる手は本当に愛おしげだから。
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