7歳の侯爵夫人

9

「………⁈」
コンスタンスは潤んだ目で王妃を見上げ、胸に手を当てた。
「王妃…様…?私に…薬を盛った…の、ですか…?」
「ええ。痺れ薬と、媚薬を少々、ね」
「びや…く…っ⁈」

どうやら、ホットチョコレートに薬を盛られていたようだ。
王妃はツカツカと部屋の奥に向かっていくと、奥にあるドアを開け放った。

「ご覧なさい、コンスタンス。この部屋は、貴女が寵姫として王宮に上がった時のために、貴女のために私が用意した部屋よ。フィリップを待って、フィリップに愛されるためのね」
そう言って王妃が笑う。
ドアの向こうに目をやれば、天蓋付きの大きなベッドが部屋の真ん中に置かれている。

「どうして…、薬など…、」
体に力が入らないだけでなく、溶け出しそうなほど熱い。
コンスタンスはどうしようもない体を持て余し、身悶えた。
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