7歳の侯爵夫人
エピローグ
コンスタンスの傷が癒え、ヒース侯爵邸に戻る日になった。
馬車で迎えに来たオレリアンは、だが、王都の邸には寄らず、そのままコンスタンスを連れてヒース領を目指した。
冬季休暇に合わせ、妻との二度目の蜜月を領地で過ごすために。

言うまでもなく一度目の蜜月での妻は7歳であったが、今度こそ、文字通り『本当の夫婦』になるため励むつもりだ。
二度と『白い結婚』を理由に離縁を迫られたりしないように。

王都の街を抜ける時、コンスタンスが刺繍に使う糸を買って行きたいと言いだしたため、2人は馬車を降りた。
ヒース領ではよくデートをしたが、王都の街をこうして2人で歩くのは初めてである。

オレリアンはコンスタンスの手を握り、2人仲良く街を歩いた。
彼の手は妻の手作りの手袋で覆われ、また妻の手は、先日夫が贈った可愛らしい手袋で覆われている。
妻の手首には痛々しい傷跡が残っているため、オレリアンは手首の部分が少し長めの手袋を贈ったのだ。
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