7歳の侯爵夫人

11

ーすまない、コンスタンス…ー

愚かな俺は、1年近くも新妻コンスタンスを放置していた。
義母が手紙を隠していたとか、彼女が自分を嫌っていると思い込んでいたとか、言い訳にもならない。

逸る思いを胸に、俺はダレルとセイを伴い、馬でヒース領に急いだ。
とにかく今は、一刻も早くコンスタンスに会い、そして謝罪したかった。

あの手紙を読んで思い知った。
彼女は俺を下位貴族出身だなどと見下してはいなかった。
金や爵位狙いで結婚する浅ましい男だと、蔑んでもいなかった。

でも、だとしたら…。
俺がこの結婚を『不本意な結婚』と断じた時、彼女はどう思ったのだろうか。
結婚後すぐに領地に送り、初夜も放っておかれた時、どう感じたのだろうか。
1年近くも領地に放置され、手紙さえ送らない夫に、どんな思いを持っていたのだろうか。

胸が、抉られるようだー。

こんな冷たい夫を、彼女は許してくれるだろうか…。
< 95 / 342 >

この作品をシェア

pagetop