もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 結果から言えば、予想よりも遥かに凄まじい効果をもたらした。

 だからマリーは王都のここ"王都中央動物病院"にて働く予定でやってきていた。

 マリーの胸元に掛けられる予定だったブルーサファイアのネックレスは恐れ多いのと仕事に支障を来たすため、新しく借りたアパートに金庫まで用意して置いてきている。

 魔力を取り戻したエリックは、体中に力がみなぎっているのが、近くにいるだけでビリビリとした痺れとして体感できた。

 オレガの実の効果も絶大で、世話係は頻繁に休まなくてよくなり、少人数の運用が可能になった。

 マリーが城にいる必要が、全てなくなってしまったのだ。

 王子との唯一の関わりである番の契りも、拍子抜けするくらい滞りなく解除された。

 つまりお役御免となり、手切金のように美しいブルーサファイアの宝石が送られた。
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