もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 カーティスの部屋の前に来ると、辺りに誰もいないことを確認してから、サッと物音を立てないように部屋へと入る。

 密偵みたいなドキドキ感を味わえて、ついワクワクしてしまう。城での生活に馴染めるかなという心配は杞憂だった。自分の図太さに苦笑する。

 中にはカーティスが昨日のように丸くなって眠っていた。近づいて異変に気付く。

「またお熱なのかしら。息が辛そうだわ」

 イーサンの説明でも、病弱であるから体調がおかしかった場合は癒してほしいと言われている。

 病弱であるが故に、エリックの聖獣として公表されないのかしら。こんなところに閉じ込められて、隠しているからって誰の付き添いもなく。

 甘やかされて育ったために性格が(ひねく)れたのだろうというイメージを持って申し訳なかったなと、反省する。

 優しく撫でてから、両手をかざし治療を始めた。
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