もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
知らぬ間に眠っていたらしい。
半分夢の中で頬にぷにぷにと柔らかな感触がして、それからグニッと口がひん曲がるほどの力が加わる。
「あがが……」
何事⁉︎
目を開けると、腕組みをして仁王立ち……しているように見えるカーティスと目が合い、フンと顔を背けられた。
見事に後ろ足で頬を踏みつけられている。
足蹴にするなんて‼︎
そっちがその気なら!
素早く体に手を伸ばすと、今回は捕獲に成功した。ジタバタ暴れるカーティスのお腹に顔を埋める。
「ふわあ。もふもふだあ」
顔をグリグリ押し付けると、抵抗するカーティスは前脚も後脚も総動員でマリーを蹴り上げる。
「痛い痛い痛い! やったわね!」
マリーの手から逃れ、軽やかに飛び退いたカーティスと対峙する。
ドタバタと大捕り物となり、両者ともにハアハアと肩で息をする。
「もう。疲れちゃったわ。ちょっと休憩。ちょっとだけ。ちょっとだけよ」
ふわわ。と、大きなあくびをして、カーティスのベッド脇にあるソファに腰掛けると自然とまぶたが重くなる。
カーティスも疲れたのか、追い出されずにそのまま夢の世界に落ちていった。