もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

「マリーは不思議な女性だね」

 穏やかな声を聞き、目をこする。

 ぼやけている視界の中にはベッドで丸まるカーティス。そして、すぐ近くの声の主は……。

「エリック様⁉︎」

 飛び退いて声を上げるマリーを見て、エリックは楽しそうに笑う。

「すごい芸当だ。座った姿勢のまま、後ろに飛んで移動したよ」

 それはそうだ。目覚めてすぐの王子は刺激が強い。

「カーティスが、ここまで人に心許すのは初めてだ」

 ついさっきまで大捕り物でしたが?

 今は穏やかに眠っているカーティス。

 はしゃぎ過ぎちゃったのかなあ。

 態度と体調が合っていないせいで、不遜な態度のカーティスについつい大人げない対応をしてしまう。

 王子はカーティスから、再びマリーに視線を戻す。

「さっそく聖獣の世話係の部署から、マリーの評判を聞いたよ。みんな感心している」

「いえ。まだ始めたばかりですし」

 謙遜したわけじゃない。今日はまだ仕事を教えてもらっただけだ。
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