私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!2~生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件~
「うーんと。ヴルツェル王国には魔法がないのでしたね。その代わり、魔法に頼らない科学技術や医療が発達していると聞きました。フロレゾン王国では薬や道具などを輸入しているんですよね?」
「正解。誰にでも安定して使えるヴルツェル王国の道具や薬は、魔法の使えない人々にはとても重宝していて助かっている。魔法が使えるのはフロレゾン王国の一部の人だからね」
イリスも魔法は使えないのでよくわかる。しかし、フロレゾン王国の政治の中枢は強い魔力を持つ貴族たちが占めているため、どうしても魔法ありきで物事が進められがちだ。実際、魔法で対応できてしまうため必要を感じていないのだ。
しかし、魔力の弱い平民たちは苦労していた。自国の科学技術が遅れているため、他国の便利な輸入品を頼ることも多い。薬にしても、フロレゾンの王国の薬は、昔ながらのハーブで作られたものが中心で効果が低い。効果の高い魔法薬は、水薬が多く長期保存ができず、教会で魔導士に調合してもらう必要があるのだ。
しかし、ヴルツェル王国の薬は持ち歩きに便利で保存可能、しかも症状さえ伝えればいつでも店で買える。魔法薬に比べると効き目が遅いが、その分便利だった。
「でもヴルツェル王国のことも知っているみたいで、安心したよ。彼女のことは、イリスとカミーユ嬢の二人で面倒を見てもらうことになったから」
レゼダの言葉に、イリスは耳を疑った。
「はい?」
「それで今呼びにきた」
「私、ヴルツェル語なんて話せませんよ!?」
「大丈夫、彼女はフロレゾン語が話せるから」
「すごい!」
「すごいよね、五カ国語ほど話せるそうだ」
「レゼダも何カ国語か話せましたよね?」
「うん、でも僕はまだ三カ国語しか無理かな?」
サラリとなんでもないことのようにレゼダが答える。イリスは尊敬のまなざしでレゼダを見た。
「正解。誰にでも安定して使えるヴルツェル王国の道具や薬は、魔法の使えない人々にはとても重宝していて助かっている。魔法が使えるのはフロレゾン王国の一部の人だからね」
イリスも魔法は使えないのでよくわかる。しかし、フロレゾン王国の政治の中枢は強い魔力を持つ貴族たちが占めているため、どうしても魔法ありきで物事が進められがちだ。実際、魔法で対応できてしまうため必要を感じていないのだ。
しかし、魔力の弱い平民たちは苦労していた。自国の科学技術が遅れているため、他国の便利な輸入品を頼ることも多い。薬にしても、フロレゾンの王国の薬は、昔ながらのハーブで作られたものが中心で効果が低い。効果の高い魔法薬は、水薬が多く長期保存ができず、教会で魔導士に調合してもらう必要があるのだ。
しかし、ヴルツェル王国の薬は持ち歩きに便利で保存可能、しかも症状さえ伝えればいつでも店で買える。魔法薬に比べると効き目が遅いが、その分便利だった。
「でもヴルツェル王国のことも知っているみたいで、安心したよ。彼女のことは、イリスとカミーユ嬢の二人で面倒を見てもらうことになったから」
レゼダの言葉に、イリスは耳を疑った。
「はい?」
「それで今呼びにきた」
「私、ヴルツェル語なんて話せませんよ!?」
「大丈夫、彼女はフロレゾン語が話せるから」
「すごい!」
「すごいよね、五カ国語ほど話せるそうだ」
「レゼダも何カ国語か話せましたよね?」
「うん、でも僕はまだ三カ国語しか無理かな?」
サラリとなんでもないことのようにレゼダが答える。イリスは尊敬のまなざしでレゼダを見た。