推しの子を産んだらドラマのヒロインみたいに溺愛されています(…が前途多難です)
光熱費節約のためにと一緒に風呂に入り、シングルベッドで身を寄せ合って眠った。
恋人同士というよりも、夢を叶えるための戦友。
そう呼ぶことの方がしっくりくるような関係性だったと思う。
私が短大を卒業し企業の栄養士として働き始めた頃、雄飛は事務所を移籍した。
社長である三田志津香が雄飛を気に入り引き抜いたそうだ。
それからというもの雄飛はCMやドラマの仕事が増えていき、映画で主演を務めるような人気俳優へと成長していった。
私は雄飛の活躍を喜んだ。
まるで自分のことのようにうれしくて誇らしいと思えた。彼が撮影やロケで家にいないことが増えても、テレビを付ければ雄飛がいる。
だから私は少しも寂しくなんてなかった。
そんな関係が数年続いたある日、私のスマホに見知らぬ番号から電話が入った。
普段は無視するはずが、どういうわけか出てしまった。相手は女の人だった。