推しの子を産んだらドラマのヒロインみたいに溺愛されています(…が前途多難です)
『三田と申します』
その名前に覚えがあり、私は指定された場所へ出向いた。
本当は行きたくなかったのだけれど、雄飛の仕事に影響すると言われてしまえば断ることもできない。
有名ホテルのラウンジでその人は待っていた。ひと目で一般人ではないとわかる派手な服を着て、隣にはスーツを着た男性が難しそうな顔で座っている。
「遅くなってすみません。小森です」
「あなたが小森さんね。三田です。どうそ、お座りください」
私は言われるがまま、椅子に腰を下ろした。緊張で手が汗ばんでいる。
「なにかお飲みになる?」
「いえ、なにもいりません。それより、お話って何ですか? 雄飛の事って言ってましたけど……」
私は話をせかした。
これから雄飛と食事の約束をしているからだ。ここからの移動を考えるとできるだけ早く出たいと考えていた。