政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
 以知子さんも蘭々さんには敵わない。蘭々さんを敵にまわすのは西園寺さんや氷室さんを敵にするようなものだし、以知子さんも蘭々さんには嫌われたくなかったのだろう。蘭々さんには礼を言って行ってしまった。

 あとから伝わって来た話によれば、ぶつかった女子学生は以知子さんにたった一度言い返した過去があったそうだ。以来以知子さんは、ことあるごとに因縁をつけていたらしい。

 その時の蘭々さんの毅然とした態度で、私はますます蘭々さんに胸を熱くしたけれど、それはともかくとして以知子さんはそういう人なのだ。いい印象が全くない。

 権威を傘に着た面倒な女性、それが織田以知子。

 佐山グループのお嬢さまは帰国子女で青扇ではないから、私はよくわからない。挨拶をした時の感じでは良くも悪くもなくごく普通の印象だ。

 どちらかが選ばれるかもしれないし、別のお嬢さまかもしれない。お相手として名前が挙がってくる女性に共通するのは、家柄が良い美人。

 専務はそういう女性と結婚する。

 サディストでもいい人でもそれは関係ない、御曹司の結婚とはそういうものなのだから。

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