桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
「私はただ、匡介さんに上手く甘える方法を知りたくて……」
こんなことを伝えるのは物凄く恥ずかしい、だけど匡介さんに変な誤解をされるのはもっと嫌だった。
私たちは互いに口下手で、ちょっとした勘違いでも言葉足らずで大きくすれ違ってしまう。これからもっと分かり合いたい相手だから、恥ずかしくても素直になるべきだって。
「……杏凛から俺に甘える?」
「ご、ごめんなさい! 私が甘えるなんて変ですよね、今のは聞かなかったことに……」
普段ほとんど表情を変える事のない匡介さんなのに、私の告白でギョッとしたように目を見開いている。
彼から私に甘えるように言ったのにこんなに驚かれるという事は、あれは本気の言葉ではなかったという事なのかもしれない。
勘違いをしてしまっていたのかと恥ずかしくなって匡介さんから顔を逸らして隠す。話題を変えなければと必死になっていると……
「……そうじゃない、君から俺に甘えたいと思ってくれる日が来るなんて思わなかった。驚いたが、もの凄く嬉しい」
「嬉しいんですか? 私が匡介さんに甘えてみようと考えただけで」
迷惑じゃないかと思っていたことを、匡介さんは喜んでくれている。こんな可愛くない強情な妻に甘えられたいだなんて、匡介さんって……
「本当に変な人ですね、もっと可愛く甘えてくれる女性がいくらでもいるでしょうに」
「甘えるのが杏凛だからこそ意味がある、その他の女性になんて興味の欠片も無いしな」
こうやって捻くれた言い方しかできない私のに、匡介さんは真っ直ぐ答えてくれる。私もいつか彼のように素直な気持ちを伝えれるようになりたいと思った。