桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
じゃあどうして私を契約結婚の相手に選んだんですか? 祖父の会社の為だと貴方は言ったけれど、それでもこんな結婚をしないでどうにか出来たはず。
……そして今も私は彼が三年間だけの契約結婚を選んだ理由を聞けないまま。
「知りたいことを訪ねても答えてもらえなければ意味が無いのです、今日の朝のように」
そうとう嫌な言い方をしている自覚はある。でもどんな理由があったとしても、結婚したばかりの夜に一人残されたことは納得出来なくて。
私に話せないと言われれば、どうしても匡介さんの事を疑わずにはいられなくなる。
「昨夜の話か、それなら杏凛が心配するような事は何も……」
「そうやって誤魔化すだけなら、私に聞いてなんて言わないで! こんな中途半端に優しくなんてして欲しくないの」
自分で想像していた程に、私は物分かりの良い妻にはなれなかったみたい。匡介さんの朝帰りもそれを隠そうとする彼自身も見なかったことに出来ないまま。
このままこの話題を続けたくなくなくて匡介さんから顔を背けると、彼が一歩ベッドに近付いてくる。
「杏凛、俺が隠している事もいつかきっと君のためになると思ってのことだ。話せるようになる時まで俺を信じて待っていて欲しいというのは、やはり我儘なのか?」
「……私の、ため?」