3月12日
初めて聞く彼の声は、少年の明るさを持っていました。もしも私も同い年で、中学時代に男子とこんなやり取りをしていたら、と疑似恋愛を体験しているようで妙にドキドキしてしまいました。
それでも私にとって彼は、ただメッセージのやり取りが楽しいだけの子でした。その後も電話の催促はありましたが、何かと忙しいと理由をつけてはのらりくらりとかわしていました。
3月に入ると、卒業の季節。私より先に彼の卒業式が近づいていました。3月11日、それは彼の卒業式の前夜のことです。
彼から唐突に、「好きだから付き合って。」というメッセージが届きました。今まで、そんな素振りはなく、お互いただの暇潰しだという認識でいた私は、しばらく返信できずにフリーズしてしまいました。
・・というのも、選択肢は“断る”の一択にも関わらず、“卒業式の前夜”だったからです。