食リポで救える命があるそうです
・
・【こんなモンスターいたんだ】
・
サツマイモの日の次の日、リュートさんの家にタイトさんがやって来た。
一体何だろうと思っていると、タイトさんはこう言った。
「悪い、リュート、大変だ。サツマイモが全部無くなった」
「いや俺は食べていないけども」
「オマエを疑ってんじゃねぇんだよ! モンスターが出たんだよ!」
「じゃあ倒せばいいじゃん、そんなん」
「それがすぐに地面の中に隠れてしまって、攻撃が当たらないんだよ」
リュートさんは溜息をついてから、こう言った。
「そんなモンスター、楽勝じゃん。分かった、俺が倒しに行ってやる」
タイトさんは驚きながら、
「マジかっ! そんな簡単にやってくれるのかっ!」
それに対してリュートさんは当たり前のように頷いて、
「だってそっちのほうが楽だろ、あっ、でも、ユイ。バトルしているところを見ることも勉強になるから一緒に行くぞ」
と言ったところで、タイトさんがアゴのあたりを触りながら、
「あー、マジで変わったな、リュート。今までならどこまでも嫌がって、人と関わることをできるだけ嫌ったのに、今はこんな簡単に……やっぱりユイちゃんに性格変えてもらったんだ」
そう言ってニヤニヤしたタイトさん。
いやリュートさんは天邪鬼な一面もあるんだから、そんなこと言ったら破談になっちゃうだろ、と思っていると、リュートさんが、
「別に。ユイにカッコイイところ見せたいだけだよ」
と言って、外に出る準備を始めたリュートさん。
いやカッコイイところ見せたいって……もはや直球じゃん、と思いながら、私が顔を真っ赤にしていると、タイトさんが、
「何かただならぬ関係というわけで、それはいいことだな!」
と笑った。
別にそんなただならぬ関係みたいなことはしていないんだけども。
まあいいや。
「じゃあ私も準備しますんで!」
と私がリュートさんに言うと、
「当然だろ!」
と快活に返答してくれた。
何だかこういう関係良いなぁ、と思ってしまった。
私とリュートさん、そしてタイトさんも村のサツマイモ畑に行くと、サツマイモ畑は穴だらけになっていた。
まるでモグラが顔を出しては引っ込んでを繰り返したようなイメージ、とか思っていると、穴からまるで巨大なモグラのようなモンスターが顔を出した。
いやまんまモグラなんかい、と思った。
巨大モグラはこっちへ向かって舌を出して挑発しているようだった。
完全に舐めている様子。
それに対してタイトさんは、
「おい! リュート! ユイちゃん! 攻撃魔法を当ててくれ! 何かホーミング! ホーミングするヤツ!」
しかしそれに対しては無反応のリュートさん。
一体どうしたんだろうと思っていると、リュートさんがこう言った。
「ユイ、地面に隠れるモンスターを倒すにはどうしたらいいと思う?」
「急にテストみたいなことふっかけてきますね」
「実践だし、ちょうどいいと思って。頭良いだろう?」
「それなりだと思います」
「チャーッ」
いや普通”チェー”だろ、と思いつつも、それ以上に地面に隠れるモンスターを倒す方法を考えた。
地面に隠れるということは何だろう、地面ごと倒すということか?
「全部の地面を削り散らす、で、合ってますか?」
「間違いではないが、もっとカッコ良く倒す方法がある」
スマートに倒す方法かぁ、いや倒せればどっちでもいいだろとは思ったけども、確かにあんまり地面を荒らすのも良くないか。
……分かった! それなら!
「私! やってみます!」
私は魔具である手袋に力を込めて、魔法を使う動作を開始した。
リュートさんは一歩下がって私の様子を見ている。
タイトさんはそんなことどうでもいいから、リュートさんがさっさと倒してほしいみたいな顔をしていた。
でもここは私がやってやる!
私は残ったサツマイモの根を媒介に、地面に根っこを広げた。
すると
「キューッ!」
地面の中から巨大モグラと思われる声が聞こえてきた。
そう、私は地面に根っこを広げたことによって、巨大モグラの動きを止めたのだ。
さらに声のしたところにいるということだから、ゆっくりそこの土を削っていった。
削ると、その場所には根っこが絡まり、動けなくなった巨大モグラがいたので、得意の風魔法の攻撃で、
「スクリューカッター!」
巨大モグラに私の風魔法が直撃し、巨大モグラはみるみる小さくなり、最後は宝石になった。
宝石のサイズはリュートさんが持っていたくらいの宝石の大きさで、何だか嬉しくなった。
「やったな」
そう言いながら私の頭をポンポンしてきたリュートさん。
その手が大きくて暖かくて、何だか嬉しかった。
タイトさんは目を丸くしながら、
「すごい! ユイちゃんもこんなにすごいなんて!」
と言って、こっちへ向かってハイタッチしようとしてきたので、私もそれに応じようとすると、何故かリュートさんがタイトさんとハイタッチした。
いやタイトさんはリュートさんとハイタッチしたかったのかな。まあいいや。
「これで一件落着ですね」
と私が言うと、リュートさんが、
「いや、ユイがモンスターを閉じ込めた大きい根はサツマイモの根というわけだから、ちょっと食べてみるか」
食い意地張ってんな、と思いつつ、リュートさんがサツマイモを切り取り、焼き、食べているところを見ていると、リュートさんが、
「薄味かい!」
と叫んだ。
いやそりゃ大味になるだろ、と思った。
・【こんなモンスターいたんだ】
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サツマイモの日の次の日、リュートさんの家にタイトさんがやって来た。
一体何だろうと思っていると、タイトさんはこう言った。
「悪い、リュート、大変だ。サツマイモが全部無くなった」
「いや俺は食べていないけども」
「オマエを疑ってんじゃねぇんだよ! モンスターが出たんだよ!」
「じゃあ倒せばいいじゃん、そんなん」
「それがすぐに地面の中に隠れてしまって、攻撃が当たらないんだよ」
リュートさんは溜息をついてから、こう言った。
「そんなモンスター、楽勝じゃん。分かった、俺が倒しに行ってやる」
タイトさんは驚きながら、
「マジかっ! そんな簡単にやってくれるのかっ!」
それに対してリュートさんは当たり前のように頷いて、
「だってそっちのほうが楽だろ、あっ、でも、ユイ。バトルしているところを見ることも勉強になるから一緒に行くぞ」
と言ったところで、タイトさんがアゴのあたりを触りながら、
「あー、マジで変わったな、リュート。今までならどこまでも嫌がって、人と関わることをできるだけ嫌ったのに、今はこんな簡単に……やっぱりユイちゃんに性格変えてもらったんだ」
そう言ってニヤニヤしたタイトさん。
いやリュートさんは天邪鬼な一面もあるんだから、そんなこと言ったら破談になっちゃうだろ、と思っていると、リュートさんが、
「別に。ユイにカッコイイところ見せたいだけだよ」
と言って、外に出る準備を始めたリュートさん。
いやカッコイイところ見せたいって……もはや直球じゃん、と思いながら、私が顔を真っ赤にしていると、タイトさんが、
「何かただならぬ関係というわけで、それはいいことだな!」
と笑った。
別にそんなただならぬ関係みたいなことはしていないんだけども。
まあいいや。
「じゃあ私も準備しますんで!」
と私がリュートさんに言うと、
「当然だろ!」
と快活に返答してくれた。
何だかこういう関係良いなぁ、と思ってしまった。
私とリュートさん、そしてタイトさんも村のサツマイモ畑に行くと、サツマイモ畑は穴だらけになっていた。
まるでモグラが顔を出しては引っ込んでを繰り返したようなイメージ、とか思っていると、穴からまるで巨大なモグラのようなモンスターが顔を出した。
いやまんまモグラなんかい、と思った。
巨大モグラはこっちへ向かって舌を出して挑発しているようだった。
完全に舐めている様子。
それに対してタイトさんは、
「おい! リュート! ユイちゃん! 攻撃魔法を当ててくれ! 何かホーミング! ホーミングするヤツ!」
しかしそれに対しては無反応のリュートさん。
一体どうしたんだろうと思っていると、リュートさんがこう言った。
「ユイ、地面に隠れるモンスターを倒すにはどうしたらいいと思う?」
「急にテストみたいなことふっかけてきますね」
「実践だし、ちょうどいいと思って。頭良いだろう?」
「それなりだと思います」
「チャーッ」
いや普通”チェー”だろ、と思いつつも、それ以上に地面に隠れるモンスターを倒す方法を考えた。
地面に隠れるということは何だろう、地面ごと倒すということか?
「全部の地面を削り散らす、で、合ってますか?」
「間違いではないが、もっとカッコ良く倒す方法がある」
スマートに倒す方法かぁ、いや倒せればどっちでもいいだろとは思ったけども、確かにあんまり地面を荒らすのも良くないか。
……分かった! それなら!
「私! やってみます!」
私は魔具である手袋に力を込めて、魔法を使う動作を開始した。
リュートさんは一歩下がって私の様子を見ている。
タイトさんはそんなことどうでもいいから、リュートさんがさっさと倒してほしいみたいな顔をしていた。
でもここは私がやってやる!
私は残ったサツマイモの根を媒介に、地面に根っこを広げた。
すると
「キューッ!」
地面の中から巨大モグラと思われる声が聞こえてきた。
そう、私は地面に根っこを広げたことによって、巨大モグラの動きを止めたのだ。
さらに声のしたところにいるということだから、ゆっくりそこの土を削っていった。
削ると、その場所には根っこが絡まり、動けなくなった巨大モグラがいたので、得意の風魔法の攻撃で、
「スクリューカッター!」
巨大モグラに私の風魔法が直撃し、巨大モグラはみるみる小さくなり、最後は宝石になった。
宝石のサイズはリュートさんが持っていたくらいの宝石の大きさで、何だか嬉しくなった。
「やったな」
そう言いながら私の頭をポンポンしてきたリュートさん。
その手が大きくて暖かくて、何だか嬉しかった。
タイトさんは目を丸くしながら、
「すごい! ユイちゃんもこんなにすごいなんて!」
と言って、こっちへ向かってハイタッチしようとしてきたので、私もそれに応じようとすると、何故かリュートさんがタイトさんとハイタッチした。
いやタイトさんはリュートさんとハイタッチしたかったのかな。まあいいや。
「これで一件落着ですね」
と私が言うと、リュートさんが、
「いや、ユイがモンスターを閉じ込めた大きい根はサツマイモの根というわけだから、ちょっと食べてみるか」
食い意地張ってんな、と思いつつ、リュートさんがサツマイモを切り取り、焼き、食べているところを見ていると、リュートさんが、
「薄味かい!」
と叫んだ。
いやそりゃ大味になるだろ、と思った。